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 潤滑油(Lubricating Oil)

   潤滑油はエンジン油の代表されるように、滑りあう二つの固体間の摩擦・摩耗を減少させる
   ために用いられる油系液体潤滑剤の総称であり、石油系と非石油系に分類される。

  ・エンジン油(ガソリンエンジン用)

   エンジン油は、粘度および性能によって分類される。
   粘度は、潤滑油の基本的かつ重要な性質を示す項目であり、使用温度が広範な自動車に
   使用されるエンジン油の場合は、SAE(Society of Automotive Engineers:米国自動車
   技術者協会)J300規格に示されるとおり、高温および低温時の粘度により分類される。
   API(American Petroleum Institute:米国石油協会)およびILSAC(International Lub-
   ricant Standardization and Approval Committee)規格は、エンジン油の性能をエンジ
   ン試験と実験室試験による評価をもって定められたものである。

                        SAE粘度分類(主なもの)

分類 低温粘度 高温粘度 mm2/s(100℃)
MPa・s ℃ MPa・s ℃ 最小 最大
0W 3250 -30 60000 -40 3.8 -----
5W 3500 -25 60000 -35 3.8 -----
10W 3500 -20 60000 -30 4.1 -----
15W 3500 -15 60000 -25 5.6 -----
20W 4500 -10 60000 -20 5.6 -----
25W 6000 -5 60000 -15 9.3 -----
20 ----- 5.6 <9.3
30 9.3 <12.5
40 12.5 <16.3
50 16.3 <21.9
60 21.9 <26.1

                    API品質分類(SA〜SEは省略)

分類 説明
SF 1980年以降の米国乗用車および一部のガソリントラック車用。
酸化安定性および耐摩耗性においてSEよりも高い性能が必要。
SG 1989年製以降のガソリン乗用車、バン、軽トラックに適用。
SG油はAPI品質分類のディーゼル用性能を含み、デポジット・酸化・摩耗・錆・腐食等の防止に対し高い性能が必要。
SH 新認証システム(EOLCS)に基づいた規格。
SG性能に加え、油蒸発性・せん断安定性・消泡性等の要求性能に合格する。
SJ SHと同等の性能を有するが、油蒸発性・触媒毒性等更に改良されている。

  ・自動変速機油(ATF)

   自動変速機(Automatic Transmission)は、手動変速機と比較して、その性能が飛躍的に
   向上したため、多くの車に装着されるようになってきている。最近では生産台数の8割以上の
   乗用車に装着されている。
   自動変速機油(Automatic Transmission Fluid)は、ATのユニット内に充填されており、
   エンジンで発生した動力を伝達する媒体としての機能や変速クラッチを適正につなぎ合わ
   せるための摩耗調整機能、さらにはその他各種ギヤーを潤滑するための機能が要求される。

  ・パワーステアリング油(PSF)

   油圧によってハンドルにかかる力を軽減させるためのパワーステアリング装置の作動油。
   適正な粘度特性を有し、耐摩耗性・泡消し性・酸化安定性・せん断安定性に優れており、
   ゴム・シール材に悪影響を及ぼさない性能が要求される。

 グリース(Lubricating Grease) 

  JIS K2220

  グリース:潤滑油中に増ちょう剤を分散させて半個体または個体にしたもの
  ギアコンパウンド:
鉱油の中にアスファルトなどの粘ちょうな物質を溶解・分散させたもの
  増ちょう剤:
潤滑油の中にコロイド状に分散して潤滑油を半個体または固体にする物質。
         
増ちょう剤には金属石鹸形と非石鹸形があり、前者の代表的なものはリチウム
         
カルシウム、ナトリウムなどで、後者はベントナイト、シリカゲルなどの無機化合
         
物および尿素誘導体、フタロシアニンなどの有機化合物が代表的である。
  ちょう度:規定円錐が規定時間に試料に進入する深さをミリメートルの10倍で表した数値
        グリースの硬さを示す(cone penetration)

  1.種類 グリースは、用途によって7種類に分類し、さらに種別およびちょう度番号によって
        表1のとおり細分する。

                 表1 自動車用の分類と適用例

種類 使用温度
荷重 適用例
用途別 種別 ちょう度番号 衝撃
一般 1種 1,2,3,4号 -10〜60 × × 一般低荷重
一般 2種 2,3号 -10〜100 × × × 一般中荷重
転がり軸受 1種 1,2,3号 -20〜100 × × 汎用
2種 0,1,2号 -40〜80 × × 低温用
3種 1,2,3号 -30〜130 × × 広温度範囲
自動車シャシー 1種 00,0,1,2号 -10〜60 シャシー
ホイルベアリング 1種 2,3号 -20〜120 × × ベアリング
集中給油 1種 00,0,1号 -10〜60 × × 中荷重
2種 0,1,2号 -10〜100 × × 中荷重
3種 0,1,2号 -10〜60 高荷重
4種 0,1,2号 -10〜100 高荷重
高荷重 1種 0,1,2,3号 -10〜100 衝撃高荷重
ギアコンパウンド 1種 1,2,3号 -10〜100 オープンギア