ギアー油(Gear oil)
JIS K2219
1.種類 ギアー油は、用途によって工業用および自動車用とし、工業用は2種類、自動車用は
3種類に分け、更に粘度グレードによって細分する。自動車用は表1のとおり。
表1 自動車用の分類
粘度グレード |
種類 |
種類別の用途 |
SAE 75W |
1種 |
自動車の中程度の速度・荷重で作動するギアー |
SAE 80W |
SAE 85W |
2種 |
自動車の高速・低トルク、低速・高トルクで作動するギアー |
SAE 90 |
3種 |
自動車の高速・衝撃荷重、高速・低トルク、低速・高トルクで作動するギアー |
SAE 140 |
2.品質 ギアー油は、水および沈殿物を含まず精製鉱油に添加剤を加えたものであって、
自動車用は表2の規定に適合する。
表2(以下の規定は、代表的なもの)
種類 |
動粘度 (100℃) |
低温粘度
特性 ℃ |
粘度指数 |
引火点 ℃ |
流動点 ℃ |
75W |
4.1以上 |
−40 |
85以上 |
170以上 |
−25以下 |
80W |
7.0以上 |
−26 |
175以上 |
−20以下 |
85W |
11.0以上 |
−12 |
−15以下 |
90 |
13.5〜24.0 |
---- |
180以上 |
−10以下 |
140 |
24.0〜41.0 |
---- |
−5以下 |
動粘度(kinematic viscosity)
粘度単位のひとつで、絶対粘度を密度で割った値。
SI単位でm2/s、CGS単位でSt(10-4m2/g)、その1/100のcStが用いられる。
粘度指数(viscosity index)
DeanとDavisによって提案された石油類の粘度温度関係表示法で、粘度指数の大きいほど温度に
よる粘度変化の小さいことを示す。40℃と100℃の粘度から算出する。
引火点(flash point)
試料を規定条件下で加熱し、小さな炎を油面に近付けたときに引火する最低温度。
流動点(pour point)
規定の方法で試料をかきまぜないで冷却したとき、試料が流動する最低温度。
実際は、試料が全く流動しなくなる点(凝固点)よりも2.5℃シー高い温度を流動点とし、2.5℃の
整数倍で表す。
|