石油会社の研究所に勤務していました・・・。
燃料が専門ではありませんが、自動車関連の燃料や潤滑油の規格(JIS)や性能について、
一般的な情報をまとめてみました。文中下線の語句は、ページ下部に解説しました。
自動車用ガソリン(Motor
Gasoline)
JIS K2202
1.種類 自動車ガソリンは、オクタン価(リサーチ法)によって1号および2号に分類される。
2.品質 自動車ガソリンは、自動車またはこれに類似の内燃機関燃料として適切な品質の
精製鉱油で、無加鉛とし、水および沈殿物を含まず、表1の規定に適合する。
表1 自動車ガソリンの要求品質
試験項目 |
種類 |
1号 |
2号 |
オクタン価 (リサーチ法) |
96.0以上 |
89.0以上 |
密度(15℃) g/cm3 |
0.783以下 |
蒸留性状 (減失量加算)
10%留出温度 ℃ |
70以下 |
50%留出温度 ℃ |
75以上 110以下 |
90%留出温度 ℃ |
180以下 |
終点 ℃ |
220以下 |
残油量 容量% |
2.0以下 |
銅板腐食 (50℃,3h) |
1以下 |
(4) 硫黄分 質量% |
0.01以下(現行10ppm以下) |
(1) 蒸気圧 (37.8℃) kPa |
44〜78 |
(2) 実在ガム mg/100ml |
5以下 |
酸化安定度 min |
240以上 |
(3) ベンゼン 容量% |
1以下 |
MTBE 容量% |
7以下 |
色 |
オレンジ系色 |
(1)寒冷地用のものの蒸気圧の上限値は、93kPaとする。
(2)ただし、未洗浄実在ガムは、20mg/100ml以下であること。
(3)ベンゼン1容量%以下は、2000年1月1日から適用する。
(4)2006年から10ppm以下となっている。
オクタン価(octane number)
火花点火エンジン燃料のアンチノック性を表す値のひとつで、主に自動車ガソリンに用いる。
n-ヘプタン(n-C5)を0、イソオクタン(2,2,4-トリメチルペンタン)を100として、両者を混合した
標準燃料と試料のアンチノック性を比較して試料と同一のアンチノック性を示す標準試料中
のイソオクタンの容積百分率で示す。イソオクタン以上のアンチノック性を有する試料につい
ては、イソオクタンに四エチル鉛を添加して標準試料として測定する。
アンチノック性(antiknock quality)
火花点火式内燃機関燃料のノッキングに対する抵抗性で、オクタン価を用いて表す。
高圧縮比エンジンや高過給エンジンはノッキングを起こしやすいため、アンチノック性の高い
燃料を使用する方が好ましい。
ノッキング(knocking)
火花点火エンジンにおいて未燃焼燃料と空気の混合ガスが自然発火することにより発生する
騒音。自然発火により混合ガスは極めて短時間内に燃焼されるので、高周波のガス振動と、
それに伴う金属性騒音を生じ、熱効率低下、摩耗増加、ピストン損傷の原因となる。
蒸気圧(vapor pressure)
全ての物質は、臨界温度より低い温度で圧縮すると液化が起こり、蒸気相と液相が共存する
状態になる。この蒸気相と液相が平衡状態にあるときの圧力は、温度の関数で表せ、これを
蒸気圧という。
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