軽油(Gas oil)
JIS K2204
軽油は沸点範囲がおよそ170〜370℃の炭化水素で、約90%がディーゼルエンジン用燃料として、
残りの10%が加熱用燃料として使用されている。
1.種類 軽油は、流動点によって、特1号、1号、2号、3号および特3号の5種類に分類される。
2.品質 軽油は、ディーゼル機関などの内燃機関燃料として適当な品質の精製鉱油であって、
水および沈殿物を含まず、表1の規定に適合する。
表1(以下の規定は、代表的なもの)
種類 |
引火点 ℃ |
流動点 ℃ |
目詰まり点 ℃ |
蒸留性状
90%留出温度 ℃ |
セタン指数 |
硫黄分
massppm |
特1号 |
50以上 |
+5以下 |
−−− |
360以下 |
50以上 |
10以下 |
1号 |
50以上 |
−2.5以下 |
−1以下 |
360以下 |
50以上 |
2号 |
50以上 |
−7.5以下 |
−5以下 |
350以下 |
45以上 |
3号 |
45以上 |
−20以下 |
−12以下 |
330以下 |
45以上 |
特3号 |
45以上 |
−30以下 |
−19以下 |
330以下 |
45以上 |
(セタン価を用いることもできる)
引火点(flash point)
試料を規定条件下で加熱し、小さな炎を油面に近付けたときに引火する最低温度。
流動点(pour point)
規定の方法で試料をかきまぜないで冷却したとき、試料が流動する最低温度。
実際は、試料が全く流動しなくなる点(凝固点)よりも2.5℃シー高い温度を流動点とし、2.5℃の
整数倍で表す。
目詰まり点(cold filter plugging point)
軽油ろ過目詰まり点。寒冷地などにおいて、ディーゼル軽油が燃料系統の目詰まり現象を起こす
ことがある。その評価法として、燃料油を冷却しながら一定減圧下でろ過を行い、析出ワックスに
よる目詰まりが発生する温度をCFPPとして表す。
セタン指数(cetane index)
ディーゼル燃料のセタン価を実測できないときに、これを評価する指数で、密度と760mmHgにおけ
る10,50,90%留出温度から計算する。
セタン価(cetane number)
ディーゼル燃料の自己着火性を表す値のひとつで、着火性の良いセタンのセタン価を100とし、
着火性の悪いヘプタメチルノナンのセタン価を15とし、セタンとヘプタメチルノナンの混合による
標準燃料と試料の着火性を比較し、試料と同一の着火性を示す標準燃料中のセタンとヘプタ
メチルノナンの容量から次式で求め正数で表す。
セタン価=セタンのvol%+0.15×ヘプタメチルノナンのvol%
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