Kingdom of Cambodia カンボジア王国
 
 アンコールワット、アンコールトム、タプローム寺院など
    ・・・枠の付いた写真は、クリックで拡大表示されます・・・

   
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        【カンボジア紙幣】            【カンボジア・ビザ申請書類】              【機内から】

 面積:約18万平方km(日本の約2分の1)、人口:約13.4百万人、首都:プノンペン、民族:カンボジア人(クメール人)が90%、言語:カンボジア語、宗教:仏教(一部少数民族はイスラム教)、通貨:リエル(1US$=約4,109リエル)、観光業、縫製・製靴などの製造業が成長分野で、内戦が終結し、政治的安定が達成され、経済も徐々に回復し、年率二桁の成長率を記録しています。また、2008年9月に発足した第4次連立政権は、持続的成長と貧困削減を実現するためグッドガバナンスの強化と高い経済成長率の達成のため改革に継続に取り組む方針で、投資インフラの改善と海外直接投資の誘致を進めています。ベトナム同様に空港はもちろん、旅行者が利用するホテル、コンビニ、お土産物店などでは、価格がすべてUS$で表示されており、US$がそのまま使用できます。でも1US$以下の単位(セント)がなく、1US$以下のおつりはリエルとなってしまいます。カンボジア入国はビザが必要、日本で事前に取得しておくか、現地空港で申請書類に記載して取得します。ビザ以外に出入国カードと税関の申告用紙が必要ですが、到着が夜だったので税関係員もいなくて、申告用紙を入れる箱が準備されているだけでした・・・。

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    【アンコール遺跡入場券】      【ベストショット】

 一度はこの目で見たかった天空の楽園、神秘の遺跡「アンコール・ワット」。遺跡の手前にゲートがありチケットを購入します。1日券(20US$)、3日券(40US$)、7日券(60US$)で、売り場で写した写真入のパスを首から提げておけば、アンコール・ワットだけでなく、アンコール・トムやタ・プロ寺院などアンコール遺跡群に入場することができます。それぞれの入口で、しっかり写真と日付を確認されます。

 アンコール・ワットは12世紀前半に30年あまりの年月をかけ建設された、スールヤヴァルマン2世がヒンドゥー教の神ヴィシュヌに捧げた寺院で、クメール語でアンコールは都、ワットは寺院を意味します。アンコール遺跡群の中で、アンコール・ワットだけが西側を向いているのは、国王の墳墓としての役割を兼ね備えているからというのが定説のようです。スールヤヴァルマン2世は、混乱していた国内を平定した後、隣国チャンパなど各地に遠征を繰り返し、勢力を拡大し、その強大な国力を背景にこの都城が建設されました。アンコール王朝では、国王は神の化身として君臨していたので、王権の神格化をすべてのクメール人に知らしめるために、神の世界を都城の造営という現実の形で見せる必要があったのでしょう。

 アンコール・ワットの塔の隙間から昇る太陽、朝日に映えるアンコール・ワットを眺めるために早朝から日出を待ちましたが、あいにくの曇り空で朝日に映えるアンコール・ワットを望むことはできませんでした。が、朝靄の中で次第に姿を明らかにするアンコール・ワットもまた幻想的で思い出深いものとなりました。上空200mまで上がるアンコール・バルーンは、約10分間、上空から遺跡やシェリムアップ近郊の風景を眺めることができるようです。
 アンコールワットは、宇宙の維持や救済を司るヴィシュヌ神、宇宙の破壊と創造を司るシヴァ神、4つの顔と4本の腕を持つブラフマー神、ヴィシュヌ神の妻で乳海撹拌の際に現れたラクシュミー神、武力・知力に優れたクリシュナ神・・・ 3億を超える神々が存在するというヒンドゥー教の宇宙観なのかも知れません。

 中央祠堂を中心とする建物はもちろん、第一回廊外壁に浮き彫りされたレリーフ群は必見、ヒンドゥー教の神話を基にした物語が絵巻風に展開します。東の乳海撹拌、南の天国と地獄のレリーフ、ふくよかな表情だけでなく、ヘアスタイルやアクセサリなど細部まで異なるデヴァータのレリーフ、第2回廊では珍しい横向きのうつむいたデヴァータを見ることもできます。
     

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【聖池に写るアンコール・ワット】

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【回廊で、かくれんぼ・・・】

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【バルーンランド】 【西参道から望む】

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【神秘の遺跡、アンコール・ワット】

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【外壁に浮き彫りされたレリーフ群】

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【ホテルのロビー】
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【ホテルのサービス?】
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【シェムリアップの市場】
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【道路わきの格安ガソリンスタンド?】

 日本からカンボジアへの直行便はないので、タイのバンコクやベトナムのハノイ、ホーチミンを経由して遺跡観光の中心、シェムリアップに入ります。日本の地方空港規模の小さな空港ですが、とてもきれいで、シェムリアップでは、たくさんのホテルや市場、スパ(マッサージ)も体験できます。2時間かけて全身(両手・両足・腰・肩・背中)をマッサージされ、ホテルまでのバイクタクシー付きで、25US$はお買い得!
 
 ホテルはシャワー室・バスタブ・ドライヤー付き、エアコンも快調、コーヒーやミネラルウォーター、ポットなど一通り揃っていて快適、ロビーも広く、最近日本では少なくなったロビーにソファー席がたくさん準備されていて、ウェルカムドリンクのサービスや写真のような民族音楽のサービス?もあります。ミニバーのビールは2〜2.5US$とベトナムよりは高いですが、日本に比べれば安く、暑い気候のお風呂上りには快適でした(でもコンビニでは1US$で販売されていました)。ちなみにタバコは、1US$で2箱買えます(約50円/20本)、高いものでも1箱が1US$程度で、スモーカーにとっては嬉しい国、カンボジア万歳です。


 市場では食べ物だけでなく、装飾品から電化製品まで多種多様の店が軒を連ね、見て歩くだけでも楽しめます。金のアクセサリを純金かと聞いたら純金だと答え、いくらかと聞いたら電子天秤で重量を測り、電卓で計算して、いくらと答えが返ってきました。でも、どう考えても純金の価格ではありません(安すぎ)、試してもよかったのですが、ひやかしで終わってしまいました。

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      【バイクタクシー】       【ホテル外観】

 インドの古典舞踊をルーツとするアプサラ・ダンス、8世紀後半〜9世紀に生まれた宮廷舞踊で、神々への祈りとして踊られます。微妙な指のねじれや、足の運び(決めのポーズ?)が優雅で、華麗な衣装とともに「クメール文化の華」とされています。

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           【アプサラ・ダンス】

 お酒やタバコは税金がかかっていないために安いのですが、ガソリンは税金がかかっており3,000リエル/L、1Lが約80円もします。これはちゃんとしたガソリンスタンドの価格で、食べ物など他の物価に比べると極めて高価です。そのため?合法か違法か分かりませんが、道路わきには格安のガソリンを1Lと2L瓶で販売するガソリン売店を多く見かけます。これは輸入されたものとのことですが、本来ガソリン留分は無色透明のはずなのに、黄色く濁っているので、かなり怪しいガソリン?であることは間違いありません。
 シュムリアップのサンセットを眺めるためには、プノン・バケン山に登ります。標高はわずか60mですが、山道を20分程度歩いた後で、頂上のピラミッド式のプノン・バケン遺跡まで急な石の階段を上がらなければいけません。もちろん登りよりも下りが大変で、石段の幅は足幅ほどですから・・・、そのうえ周りはすべて石造りですから・・・、すべったら救急車間違いなしです。石の階段下にたくさんの現地人が待機していましたが、彼らは何を望んで待機しているのか、今でも気にかかっています。

 参道の入口にはお土産物店、CD販売が目的の民族音楽団、約30分かけて登ったプノン・バケン遺跡には、写真のように、ひたすらサンセットを待つ観光客でいっぱいです。密林からのぞくアンコール・ワットはよかったですが、結局サンセットは雲にかかったままでした。でも本当に陽が沈んでしまったら、外灯もない帰りの山道をどうやって戻るのか心配です。

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  【結局見れなかったサンセット】 【プノン・バケン山から】
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【CD販売が目的?】
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【ひたすらサンセットを待つ】
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【サンセットを見るために・・・】
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【タ・プロム寺院】
 巨大な樹が大蛇のように建物にからみつき、太い根を張った、密林に忘れ去られた遺跡をイメージさせるタ・プロム寺院。熱帯樹の生命力と廃墟が作り出す神秘的な雰囲気に魅了されてしまいます。タ・プロム寺院は、ジャヤヴァルマン7世が王位に就いて最初に建設した寺院で、母の菩提を弔うために建てられた中央に三重の回廊を有する寺院です。

 ここを訪れると、アンコール遺跡の保存には二つの方向性があることに気づきます。一般的な過去の状態に戻す復元と、ここで行われている自然環境の現状保全、タ・プロムでは自然との共存のため、損壊部分の修復や樹木の除去も行われていません。
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         【結婚記念の写真撮影】

 シンガポールでは「マーライオン」、台湾では「故宮」、ロシアでは「ピョートル大帝像」など、各地で結婚記念写真の撮影に出くわしました。ここカンボジアでも、記念写真はカンボジアが誇れる地で撮影するようで、タ・プロム寺院の中庭で新郎新婦の記念写真撮影中でした。

 バンデ・アイ・は、アンコールワットの北東約35kmに位置する小さな寺院です。1914年に発見され、1931年に修復されています、中央祠堂に刻み込まれたデヴァーターの彫像は世界屈指の美術作品として知られ、「東洋のモナリザ」と評されています。アンドレ・マルローの盗掘事件でも有名になったレリーフで、立体的でとてもやわらかな表情です。
 この寺院は全体を埋め尽くすように浮き彫り彫刻が施されており、赤色砂岩の深く滑らかな曲線美がとても印象的です。

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      【バンデ・アイ・スレイとロリュオス遺跡群】

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      【バンデ・アイ・スレイの東洋のモナリザ】

 シュムリアップの東15kmに位置するロリュオス遺跡群は、アンコール王朝で最初に建設された都城跡です。881年にインドラヴァルマン1世によって建立されたアンコール王朝初の中心寺院バコン、寺院の周囲に環濠を巡らす、アンコールワットと同じ平面プランを持つ最初のピラミッド型寺院で、旧来の建材であるレンガを脱し、砂岩を主材として建造されました。中央祠堂は12世紀に再構築されたようですが、ここを遊び場とする子供たちに出会いました。世界遺産の中で遊べ、そして時々お菓子ももらえるという好環境ですね。

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   【バンデ・アイ・スレイ入口、間違った石碑(遺跡)】

 入口にアンコール遺跡群、ユネスコ世界遺産、1992と日本人観光客をターゲットにした石碑があるのですが、遺のしんにゅうに点がないのと跡のたてが1本足らないというおまけ付きが「観光名所(迷所)」なのかも知れません。

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【バンデ・アイ・スレイ中央祠堂】
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【ロリュオス遺跡群】
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【世界遺産で遊ぶ子供たち】
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【バンデ・アイ・スレイの睡蓮】

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【ロリュオス遺跡群】

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【象に乗って南大門へ】
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【南大門南の神の像】
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【中央本殿より】
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【中央本殿を】

 仇敵チャンパの脅威を取り除いた「救国の英雄」ジャヤヴァルマン7世が造営したバイヨンを中心とした都城アンコール・トム。アンコール・トムとは「大きな都」を意味し、12世紀末から13世紀初めにかけて建設され、東西南北の4つの大門と王宮正面への勝利の門があります。その地理的にも中心に建つのがバイヨンです。

 5つの城門のうち、アンコールワットに近い南大門が一般的です。城門に向かって左側に神々の像、右側に阿修羅の像が、ナーガの胴体を抱えてそれぞれ54体ずつ並んでいます。南大門の高さは23m、上部に蓮の王冠飾りを付けた観世音菩薩の四面仏塔が東西南北を見据えています。私は歩いて南大門をくぐりましたが、象に乗って遺跡を巡るツアーもあるようです。

 バイヨンは東西160m、南北140m、二重の回廊に囲まれたほぼ正方形で、回廊の壁面にはチャンパ軍との戦いやヒンドゥー教の神々のほか、庶民の生活などを描いたレリーフも見ることができます。回廊内部や塔門には54体の四面仏塔が林立し、どの顔もわずかに表情が異なるように感じます。なかでも神秘的な微笑をたたえる四面仏、仏を信じて悟りを求めるものは必ず救済されるとする「大乗仏教」の世界を、まさに具現化したものでしょう。

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       【アンコール・トム南大門】

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       【クメールの微笑み、四面仏】

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   【クメール文化の華、アプサラの衣装】

 観光客目当てのアプサラ衣装。何枚か写して1US$、でも夫婦で写ると2US$。

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